2025年10月10日、信州大学で「信州富山手術手技研究会」を開催いたしました。
本研究会は、コヴィディエンジャパン株式会社のご協賛のもと、富山大学呼吸器外科の特命教授である土谷智史先生をはじめ、富山大学呼吸器外科の先生方を当院にお招きし、昨年に続き第2回目の開催となりました。
特別講演では、当科の清水が座長を務め、土谷先生より「区域切除におけるリンパ節郭清はどうするのか?」という、呼吸器外科医にとって大変興味深いテーマについてご講演いただきました。

土谷智史先生
ご講演では、これまでの肺癌外科治療における術式やリンパ節郭清について系統的にレビューいただき、これまでに得られているエビデンスを分かりやすく整理して示していただきました。さらに、そのエビデンスを踏まえ、腫瘍径や充実成分径とTNM分類を組み合わせた、実臨床に即したリンパ節郭清のあり方についてご提唱いただき、医局員一同大変学びの多い内容となりました。
特別講演に続いては、当教室ならびに富山大学の先生方による発表が行われました。
第一部では、当教室の濱中が「信州大学呼吸器外科におけるHybrid RATS」と題して発表を行い、最新の取り組みを共有いたしました。

第二部では、富山大学呼吸器外科の尾嶋紀洋先生に「Da Vinci XにおけるDual-port RATS導入と肺区域切除への応用」と題してご講演いただきました。

創部を2カ所にすることで患者さんへの侵襲を最小限に抑えつつ、ロボット手術の精密さを維持した手術導入の工夫や、尾嶋先生独自の手術理論、さらには美しい手術動画を交えてご講演いただきました。

研究会後には、富山大学呼吸器外科の先生方との懇親会も開催されました。昨年から始まった本研究会と懇親会を通じて、さらに親交を深めることができました。今後も隣県の呼吸器外科施設として協力し合い、お互いに切磋琢磨しながら発展できる関係を築いていければと考えております。
富山大学呼吸器外科の諸先生方には、遠方よりご参加いただきましたことに、心より御礼申し上げます。今後とも良好な関係を継続し、互いに高め合える機会を重ねてまいりたいと存じます。