当科の診療の特徴
はじめに
呼吸器外科が、主に扱う疾患は、肺癌、気管・気管支腫瘍、転移性肺腫瘍、気胸、膿胸、縦隔腫瘍などです。
我々は、最新・最良の外科治療を長野県の皆様に安全に提供することに最善を尽くします。
- がん遺伝子検査の重要性を加味した外科診療。
-
信州大学で手術していただいた患者様の切除検体を大切に管理・保管するシステム、および必要に応じて、その検体を用いてがん遺伝子解析検査を行い、その結果を駆使して個々の体質と癌の性質に応じた「個別化肺癌医療」ができる体制を構築しています。
肺がん治療におけるがん遺伝子検査の重要性 - 3DCT画像を用いてより安心で安全な手術を提供。
-
肺は、体のすべての臓器の中でも一番解剖学的なバリエーションが多い臓器です。特に心臓から肺に血液を循環させている肺動脈と肺静脈の走行は個人差が多く、その個人差を術前に把握しておかないと思わぬ大出血をきたす事があります。信州大学では、手術を受けていただくほぼすべての患者さんに対して、世界最新鋭の画像解析ソフトで3DCT画像を作成し、その画像を術前および術中に利用することでより安心で安全な手術を行っています。
3DCT画像を用いた安全・安心な手術 - 真の低侵襲性手術「痛くない、息苦しくならない」手術の追求。
-
「胸腔鏡(またはロボット支援)下区域切除」は、痛みも少なく、腫瘍を根治しながらも肺の機能を温存することができる「痛くない、息苦しくならない」真の低侵襲手術だと考えています。信州大学では、早期肺癌や転移性肺腫瘍に対して積極的に区域切除を行っており、肺区域切除の割合は、世界トップレベルです。今は、肺癌だからといって、むやみに肺を大きく切除する時代ではありません。早期肺癌においては「痛くない、息苦しくならない」手術で治る時代です。
痛くない(胸腔鏡)+息苦しくならない(区域切除)手術
胸腔鏡区域切除の開発肺区域間同定のためのICG静注法 - 手術による「根治」をあきらめない。
-
化学療法・放射線治療、分子標的治療など様々な治療により肺の腫瘍の部分(原発巣及びその周辺)のみが残存・再燃し、遠隔転移をきたさない患者さんに対して手術治療で根治を目指すことがあります。これが「サルベージ手術 (救済手術)」です。難易度の高い手術ですが、当科においては本術式を積極的に実施しております。様々な治療を行ったが、原発巣のみが残存・遺残したような患者様は、根治を目指せる可能性があります。
- すべての呼吸器疾患の外科治療と最新治療を信州で受けられるように。
-
当科では、進行癌に対する拡大手術、他の治療を組み合わせた集学的治療、肺癌及び縦隔腫瘍に対するロボット手術(ダビンチ)、さらには、悪性胸膜中皮腫に対する外科治療も積極的に行っております。我々はすべての呼吸器疾患の外科治療と、最新治療を信州で受けられるように、日々色々な最新治療を取り入れております。
肺がんにおけるロボット手術