- 2025.07.08 日常
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漫画の名言から学ぶ人生の指南書 【第18回コラム】
今回コラムを担当しますホームページ管理人の中村大輔です。気づけば管理人として1年以上が経過し、これまで約40回の更新作業を行ってきました。前回の私のコラム掲載からも約1年が経過し、時の流れの速さと移り変わりの儚さを感じています。今回のテーマは「漫画の名言から学ぶ人生の指南書」です。趣味の少ない私ですが、昔から漫画を読むのが好きで、登場人物たちの名言をストックしています。嫌なこと、辛いこと、迷うことがあった時には、そんな名言たちに支えられてきました。今回は、そうした名言の中から自分好みのものをいくつかご紹介します。皆様の心の片隅に留めていただければ、きっといつか役に立つはずです。
- まずは言わずと知れた名作『SLAM DUNK』からです。バスケットボールの中でもダンクやシュートなどの華やかなプレーではなく、体を張ったリバウンドを取った後、魚住という選手が発した一言です。
「こういう仕事はオレに任せろ」
点を取るチームの主役は他の選手に任せ、自分は地味ながらもチームにとって不可欠な役割を果たす。そんな気持ちと意志が乗った言葉で、3年生でキャプテンである自分から、2年生の後輩たちに向けた点もポイントです。得意な仕事、苦手な仕事、好きな仕事、嫌いな仕事、誰にでもあると思います。何でも一人で抱え込もうとせず、「できることを愚直にやる」「自分にできないことは後輩であっても任せる」姿勢が大切です。手術の術者や学会発表などの主役級の仕事だけでなく、チームのため、患者さんのための地味で地道な仕事の方が圧倒的に多いと思います。そんなあまり気が進まない仕事が降ってきたとき、この魚住の精神で取り組んでみてください。そんな気持ちや仕事ぶりはきっと職場や周りの人のため、そして最終的には自分のためになっているはずです。
- 続いてはアメフト漫画の金字塔『アイシールド21』からです。ほとんど主人公といっても過言ではないほど漫画の中では超重要人物の蛭魔選手(クォーターバック、花形ポジション)がワールドカップユース決勝・日本対アメリカ戦の試合中に放った言葉です。体格や能力でアメリカに劣る日本選手、その中でもこの蛭魔選手は頭脳以外は特に凡庸なタイプです。他の身体能力が高い選手に「もしもテメーに 俺並みの身体能力がありゃ」とタラレバの話をされた際に言い返します。
「…ないもんねだりしてるほどヒマじゃねえ
あるもんで最強の闘い方探ってくんだよ 一生な」
前述の魚住の名言と重なる部分もあります。人はどうしても自分と他人を比べてしまいます。そうやって競争していくことも重要ですが、他の人の能力を羨んでばかりいても仕方ない。そんな時間があれば、自分にできることを自分の能力の中で最大限努力していく。さらにそれを一生続けていく。まさに金言ですね、常に心に留めておきたい言葉です。
- お次は不朽の名作『ドラえもん』からです。
45年後の未来から来たのび太が、小学生ののび太に伝えた言葉です。原作では、未来ののび太が「宿題を手伝おうか?」と言いますが、小学生ののび太は「自分でやる」と断ります。未来ののび太がその時に伝えた言葉です。
「一つだけ教えておこう。
きみはこれからも何度もつまづく。
でもそのたびに立ち直る強さももってるんだよ。」
失敗した時、落ち込んだ時、やる気が出ない時、誰しもあると思いますが、そんな時に支えにして欲しい名言です。どんな偉人や素晴らしい人間でも失敗しない人は居ない。むしろ失敗した時や上手くいかない時にこそ、その人の真価は問われます。そんな時にゆっくりでよいので、立ち直る強さを持って、また前を向いて一歩ずつ歩みを進める。そんな気持ちにさせてくれる言葉です。
- 続いて、兄弟で宇宙飛行士として月に行く夢を追いかける物語『宇宙兄弟』からです。宇宙飛行士を目指す兄弟の兄である南波 六太(なんば むった)は訓練の一つで、ローバーというプログラミングで制御するミニロボットの開発をしていました。決められた予算内でローバーをカスタマイズして、どのぐらい正確にゴールに辿り着けるかというのを競う大会に出ており、予算内でのカスタマイズを検討していた時に、むったがチームメイトに放った言葉です。
「モノ作りには・・・失敗することにかける金と労力が必要なんだよ」
「失敗」にプラスのイメージを抱く人はまずいないと思います。できれば失敗することなく、うまくいくことがあるならそれに越したことはないです。しかし失敗なしに、新しいことでうまくいくことはないと思います。うまくなるためにはうまくいかなかった経験も、その経験をする労力と金も必要であると述べています。私は現在、大学院生という身で基礎研究に従事させて頂いております。当然ですが、失敗ばかりの日々を過ごしております。失敗にかけた労力とお金が戻ってくることはありませんが、きっといつか役に立つとこの言葉を胸に、これからも研究に励みたいと思います。
- 最後は1989年から36年経った今なお連載継続中で、シリーズ累計発行部数1億部を突破しているボクシング漫画『はじめの一歩』からです。主人公が所属するジムの鴨川会長(トレーナー)が、弟子の鷹村守選手の初の世界戦挑戦の直前に放った言葉です。
「努力した者が全て報われるとは限らん
しかし! 成功した者は皆すべからく努力しておる!!」
努力すれば必ず報われる・・・そんな言葉を聞いたことがあります。しかし、現実はそう甘くないですね。努力が必ず成功に直結するわけではないのが、どんな世界においても常であります。この名言では、「努力は大事だが、それだけでは十分ではない」ということを前半で強調しています。成功するためには、努力に加えて才能や環境、運といった要素も大きく影響を及ぼします。しかし、この名言の後半部分「成功した者は皆すべからく努力しておる」は、成功の本質を示しています。どの分野でも、一流の人たちは華やかな成果を手にする一方で、見えないところで膨大な努力を積み重ねています。成功するためには才能や運だけでなく、努力が不可欠であると説いているのだと思います。なかなか成功という形が見えてこない辛い時に、自分を奮い立たせてくれる至極の名言です。
以上、個人的な好みの話をつらつら書いてきましたが、皆さんの心に響く言葉があれば幸いです。引き続き当ホームページの管理人として尽力してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。
(文責:中村大輔)