- 2023.08.21 イベント
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信州呼吸器外科フォーラムを開催しました
8月18日に松本市ホテルブエナビスタにて、「信州呼吸器外科フォーラム」と題した講演会を開催いたしました。
なんと本講演会は日本を代表する呼吸器外科医の一人である広島大学の岡田守人先生を信州の地へお招きするという貴重な機会であり、教室としても兼ねてから入念な準備をすすめて参りました。
この会は呼吸器外科に興味をもってくれている若手初期研修医を主たる対象としていますが、信州大学のみならず関連施設を挙げて長野県内に広く募集しました。
平日の開催にも関わらず7名の初期研修医の先生方にご参加いただき、また所属関連施設の教室スタッフも何人も参集してもらいました。内容は「ハンズオンおよび若手講演」の第1部と、岡田先生による「特別講演」の第2部により構成されています。
ハンズオン会場には6台もの手術モデルをご用意いただきました
第1部前半は疑似血液付のブタ肺を用いたウェットラボ形式のハンズオンにて、我々医局員の指導の元で胸腔鏡下の肺葉切除を行っていただきました。
普段なかなか体験できない自動縫合器やエネルギーデバイスを使用した手技は難しかったと思いますが、ほとんどのテーブルで肺葉切除を完遂していました。長野市民病院
左:左からスタッフの中村、松原先生、三好先生
右:初期研修医2人による初めての共同作業北アルプス医療センターあづみ病院
左:左からスタッフの三島、同じく瀬志本、髙野先生
右:髙野先生は今回が初めてのブタ肺トレーニングでした信州上田医療センター
左:左からスタッフの井手、同じく原、櫻井先生
右:肺葉切除、無事完遂!相澤病院
左:左からスタッフの松岡、新村先生
右:これまでにトレーニング経験がある新村先生 1年目研修医とは思えない手技のスムーズさでした諏訪赤十字病院
左:左からスタッフの寺田、今井先生
右:実は今井先生が呼吸器外科の学生実習の時の指導医が筆者で、久しぶりの再会です長野赤十字病院
左:左からスタッフの志村、梅田先生
右:梅田先生は参加者で最も以前からブタ肺トレーニングをこなしており、葉切除完遂も流石の1番乗りでした第1部後半では若手講演として、本年度から呼吸器外科医として勤務している医師5年目の瀬志本が演者を務めました。
信州大学における外科専門研修の実際や、医学生として初期研修医として様々な経験からどのようにして呼吸器外科として働くことを決めたのかなど、まさに今将来の進路に悩む初期研修医の先生方に身近なお話を語ってくれました。
瀬志本の講演:「私の履歴書」そして迎えた第2部は「‟超一流の向こう側” アートとサイエンス」というタイトルで岡田先生にご講演いただきました。
普段学会などで拝聴する呼吸器外科の最新の治療戦略といったようなお話でなく、患者さんに対する熱い想いや、「侍」としての外科医のあり方、また手術のみでなく「自分の仕事を論文に残すこと」の意義と大切さなど、岡田先生が研修医に向けてこそ伝えたい情熱的なメッセージが極めて高密度で凝縮された、素晴らしいご講演でした。
初期研修医の先生方にとって、こういった熱量のある講演を拝聴してもらえる機会を作れたというだけでも本当に今回のフォーラムが開催された意義があると感じましたが、もちろん我々教室員にとっても大変刺激になったのは言うまでもありません。
岡田先生による特別講演
終了後には全体懇親会が開かれ、世界の岡田先生と一緒に会食するという貴重な機会に研修医の先生方もやや緊張の面持ちでしたが、岡田先生は質問にも応じつつ研修医全員と気兼ねなくお話をしてくださり、最後にはだいぶ表情も和らいでいました。参加された研修医の先生方からはいずれも大変好評であったとの声が聞かれましたが、是非今回の貴重な経験が刺激となり、一人でも多く呼吸器外科医として仲間になってくれたら嬉しいですね。
全体懇親会
参加されたすべての研修医と一緒に記念撮影をしてくださった岡田先生本当に素晴らしいご講演をいただきました岡田先生、そして今回のフォーラムの開催に当たり、ブタ肺手術モデル6台ものご用意を含め全面的にご協力いただきましたジョンソンエンドジョンソン株式会社エチコン事業部の皆様、ブエナビスタへ手術器具の設備などご用意くださいました上條器械店の皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
全体での記念撮影
(文責:原大輔)