- 2023.07.01 日常
-
施設見学~朋有り、遠方より来たる~【日常】
山梨大学呼吸器外科の皆様が施設見学に来てくれました
6月18、19日に山梨大学医学部呼吸器外科から4名の先生方(松原先生、内田先生、太田先生、初期研修医市川先生)と日本大学呼吸器外科から1名の先生(佐藤先生、以前山梨大学に勤務)が、当教室で行っている教育システムとロボット支援下肺区域切除の見学に来てくれました。山梨大学呼吸器外科の先生方とは、私が山梨出身ということもあって、昔から懇意にしています。ここ数年はコロナ禍のため交流が途絶えておりましたが、感染の拡大が収まりつつあるなか再会でき、まさに「朋有り、遠方より来たる」という心境でした。
左から松岡、江口、木村、瀬志本、山梨大学より松原先生、太田先生、内田先生、市川先生、日本大学より佐藤先生教育システムとしては、術前のディクテーションと豚のハイブリッド肺を用いたウエットラボを見学していただきました。特に術前のディクテーションに関しては、日本初の試みでもあり、「非常に感銘を受けた、こんな教育を開始しているのは日本では信大だけだ」とお褒めの言葉をいただきました。
当教室では、ドライラボはもちろん、豚ハイブリッド肺(切除した豚肺の肺動脈と肺静脈にゼリー状の色素を詰めて生体での肺を模したもの)を用いた胸腔鏡手術トレーニングを2週間に1回程度、教室医局内にあるトレーニングセンターで行っています。また、臨床の現場においては技術の習得のみでは術者として不十分であるため、手術に到達するまでの過程(術前検査、評価、手術適応、術式決定)と、さらに実際の手術の段取りを口頭で詳細かつ完璧に言語化する試み(ディクテーション)を行っております。現状では英語で質問し、日本語で答えていますが、今後は国際化を見据えて全て英語で完遂することを目指しています。患者さんの命を預かる手術を行うには、手術のスキルアップはもちろんですが、手術前と手術中の段取りを完全に言語化できる能力を養う必要があり、信大呼吸器外科では「No dictation, No operation」を合言葉に若手の修練を行っております。
ディクテーションの様子 江口、瀬志本
とっても充実したトレーニングでした!
また、その夜は、ささやかながら食事会を開催させていただきました。
山梨大学の皆様も、我々信大呼吸器外科メンバーも心から松本の夜を楽しみ、新たな外科医療への夢を語り合うよい時間をいただきました。
松本の夜をご堪能いただきました(むしろ堪能しすぎました)翌日は、朝のWeb抄読会および朝カンファレンスからご参加いただき、信大の得意とする術前3DCTシミュレーションを体感していただきました。
手術は、1例目は私清水が執刀したロボット支援下左肺上葉複雑区域切除、2例目は江口が執刀したロボット支援下右肺上葉区域切除であり、それぞれ見学していただきました。
山梨大学はロボット支援下手術を早くから取り入れている施設で、特に松原先生はロボット支援下の手術においては私よりも経験豊富で技術も優れているのですが、我々の3DCTシミュレーションの通りに進むロボット支援下区域切除には感銘を受けて山梨に帰られました。
名残惜しくも山梨へ…またお越しください!信大病院前にて記念撮影。
信州大学呼吸器外科は、ロボット支援下区域切除が保険適応になってから3年連続で日本一、世界でも15位以内に入る症例数を有しており、この分野ではtop instituteだと自負しております。今回2日間の見学をしていただいたことで、我々のやる気もさらにアップし、よい刺激をいただくことができました。山梨大学呼吸器外科の皆様、今後とも兄弟校の気持ちでお互い切磋琢磨して頑張ってまいりましょう。
施設見学問い合わせはこちら→ https://shinshu-surgery.jp/recruit/contact.php
(文責:清水公裕 / 編集:原大輔)