お知らせ

2023.05.25 日常

鏡視下手術トレーニング開催【教室活動報告】

呼吸器外科スタッフを中心とした、院内VATSラボを開催しました

 

 今回はコヴィディエンジャパン/Medtronic社にご協力いただき、人工肺血管モデルと胸郭モデルを併用した鏡視下手術トレーニングを開催しました。ありがとうございます!

 ご用意いただいた人工肺血管モデルは非常に精巧に作られており、内腔に色素付きの液体を充填することで出血していないかどうかを確認可能であったり、また肺動脈は実際と同様に層構造を有しているため血管鞘の剥離の感触がリアルに再現されています。4層構造になっているそうで、術野で手術器具を用いて3層までの剥離が可能でした。

     

 これらのモデルを使用し、胸腔鏡下肺葉切除を行う際に必要な血管の剥離や結紮、気管支や肺実質の自動縫合器切離など、あらゆる手技を専門医による指導の下で行ってもらいました。

 前半は現在学内実習中であった医学科5年生の松山くんが、後半は現在当教室スタッフで最若手の呼吸器外科専門医修練生である瀬志本が、それぞれトレーニングを行いました。また胸郭モデル外でも、ご用意いただいた人工肺血管モデルを用いた血管剥離と吻合手技のトレーニングを併せて行いました。

 松山くんは外科に非常に興味があるとのことで、今回のトレーニングに急遽飛び入りで参加してもらいました。積極性があって素晴らしいですね!初めは両手の鉗子を思うところに動かせず、実際に操作をする難しさを理解してもらえたかなと思っていましたが、徐々に慣れてくると血管の剥離もなかなかスムーズにできており逆に驚かされてしまいました。肺動脈、肺静脈の確保を行い、自動縫合器で切離をしたり、エネルギーデバイスを用いた組織の剥離や切離などの操作をしたりと、高度な手技を体験してもらうことができました!

    
 三浦の熱い指導を受ける松山くん

 続いて瀬志本が対側肺のモデルを含めトレーニングを行いましたが、流石に後期研修で鍛えてきただけあって、鉗子の攻めどころが的確であり種々の操作にも慣れを感じました。一方で、呼吸器外科特有のバックハンドでの鉗子さばきや胸腔内結紮など、これまでに研修してきた腹部外科領域ではなかなか実施することがない手技も数多く必要になるため、そういった手技の修練にはやや苦戦しているところもみられました。苦戦するということはそれだけトレーニングが有効であるということの裏返しです、今回のトレーニングを活かして明日からの手術にまた一生懸命従事していきましょう!

     
 真剣な眼差しの瀬志本

 当教室ではこういった実体験を伴う練習を積み重ねることで鏡視下手術の操作の上達を図る機会を作り、出来るだけ多くの若手外科医や研修医、医学生の皆さんに参加してもらっていますが、これまで大学病院のみならず県内関連施設の研修医や実習中の医学生など、多くの参加者から好評を博しています。興味がある方は、ぜひお気軽に医局までお問い合わせください。

 

(文責:原大輔)

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