お知らせ

2023.04.03 イベント

新年度のご挨拶【行事/イベント】

長野県、呼吸器外科の若手研修を全力でサポートします

   信州大学呼吸器外科 清水公裕

自分の専門領域を決め、呼吸器外科の研修を始めたこの時期は、呼吸器外科人生において最も大切な時期です。「一瞬」でもあり、「一生」でもあります。

何故、この専門職としての出発期が重要かというと、この時期に「刷り込み(インプリンティング)」が起こるからです。インプリンティングとは、1973年にノーベル生理学賞を受賞したオーストリアの動物行動学者コンラート・ローレンツによって広く知られるようになった、ハイイロガンの観察から証明された現象です。ハイイロガンなどの離巣性のヒナは、誕生直後に見た大きなものを自分の親であると記憶することが証明されています。このインプリンティングは、すなわち、「信じられないほど急速で、修正困難で、極めて長時間持続し、それを完全に保つために反復学習を必要としない学習」と定義されます。呼吸外科を専門職としたばかりの若手の皆さんが、インプリンティングという現象を受けるこの時代は、この上なく重要な時期なのです。ゆえに、この時期は、ストレスを感じない豊かな環境で過ごすことが大切であり、そこで共に学ぶ良き仲間や、良きメンターと出会うこと、そしてその教え・行動から良い意味でのインプリンティングを受けることが、今後の医師としての一生を決めると言っても過言ではありません。

私の使命は、このような環境豊かな長野県で、素晴らしい外科研修のプログラムを持つ信大呼吸器外科の魅力を、全国の学生や、初期研修医など、多くの若者に伝えることであり、さらには「衣食住足りて礼節を知る」「自らの幸せなくして患者さんの幸せなし」と言われるように若手の皆さんの生活の質も重要ですので、福利厚生面での不安を与えないようにすることだと思っております。

我々大学のスタッフを始め、各関連病院のスタッフは、医会一丸となり、これからの呼吸器外科を背負って立つ若手の皆さんを全力でサポートさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

写真は、①松本城と北アルプス、②松本城の夜桜、③高遠城址公園の桜です。ほんとに美しいですね!医者をやっていると日本人の心ともいえる桜の持つ意味や、美しさが年々身に染みてきます。

   

 

(文責:清水公裕 / 写真撮影:清水公裕)

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