お知らせ

2023.03.14 日常

VATSトレーニング開催【教室活動報告】

先月もまた、呼吸器外科VATSトレーニングを開催しました

 

今回は県内関連施設である相澤病院から1年目研修医の中澤先生、学内実習中であった医学科4年生の久島さんが参加してくれました。それに現在当科で外科専攻医である宮尾後期研修医を加えた3人に対し、筆者と教室スタッフの志村が指導補助に当たりトレーニングを行いました。

当教室のトレーニングは、ETHICON / Johnson & Johnson社のご協力の元、ブタ肺モデルを用いたウェットラボ形式で、専門医による指導を受けながら実際に胸腔鏡下肺葉切除を行うという内容です。手術のリアルな手技を一つ一つ体験してもらうために、胸郭モデルによるポート作成から、血管の剥離や結紮、気管支や肺実質の自動縫合器切離など、あらゆる手技をできるだけ自身の手で行ってもらうようにしています。

   実際の指導風景

 

まずは宮尾後期研修医が、他の2人のお手本としてトップバッターを務めました。左肺上葉切除に臨みます。約1ヶ月ですが当科で日々肺切除手術に従事しているだけあり、血管剥離操作などではいわゆる「攻めどころを上手に捉えており、手技も後半にすすむにつれてどんどん上達していました。さすがです!

 マスク越しにも伝わる、宮尾後期研修医の真剣な眼差し

 

昼休みをはさんで、中澤先生には、残存左肺下葉切除(=残存左肺全摘)を行ってもらいました。すでに外科医になる将来を見据えているだけあり、1年目研修医としては手技のレベルが高く順調に残存下葉切除を完遂していました。またカメラを持たせても安定した視野と軸を維持しており、ところどころで光るセンスが隠しきれていませんでした!(しかし本人としては疲労困憊だったそうです。笑)

 相澤病院研修医 中澤先生 初葉切除完遂おめでとう!

 

そして医学生の久島さんには、上記のトレーニングの間に練習をはさみつつ、手術操作体験をしてもらいました。実際にEchelon(自動縫合器)を使用してもらい肺部分切除を施行したり、血管を鏡視下で結紮したり、Harmonic Ace+(エネルギーデバイス)を使用して血管を切離したり、と実際に我々が手術の際に行う手技について、一通り体験してもらうことができました。医学生としてはなかなか経験することのできない手技ばかりですが、ちょうど呼吸器外科で実習中とはいえ自分からトレーニングへの参加を申し入れるという素晴らしい積極性がもたらした体験ですね。

 医学科4年生 久島さん 初執刀の豚肺部分切除後完遂!

 

3人ともに緊張と疲れ、そして達成感に包まれたいい表情を見せてもらうことができ、無事にトレーニングは終了しました。

 締めはみんなで記念撮影です

 

鏡視下手術の操作は何よりこういった実体験を伴う練習を積み重ねることで上達します。次回参加した際にはそれぞれ今回よりもう1段階難しい手技に挑戦してもらいたいと思いますので、またのご参加をお待ちしています!

今回ご紹介したトレーニングは毎月2~4回程度、定期的に開催しています。これまで大学病院のみならず県内関連施設の研修医や実習中の医学生など、多くの参加者から好評を博しています。興味がある方は、気軽に医局までお問い合わせください。

 

(文責:原大輔)

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