- 2024.05.16 日常
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呼吸リハビリテーションについて【5月コラム】
第12回コラム
呼吸リハビリテーションについて
今年度初回となるコラム記事は、現在当教室で積極的に行っている周術期リハビリテーションに関して、当教室スタッフの久米田からリハビリテーションの効果や実際の運用内容を含めてお届けします。
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皆さん、全身麻酔の手術と聞くと怖いイメージを持つ方もいるかと思います。手術自体もそうですが、手術後の合併症の説明を聞くとより怖く感じるものです。実際に肺を切除する手術の場合、その他の臓器の手術に比べて、手術後に肺炎を引き起こす可能性が高いといわれています。そのため私たち信州大学呼吸器外科では、肺炎などの合併症の軽減を目的として、呼吸リハビリテーションを積極的に導入されている松本協立病院と連携して、手術前後での呼吸リハビリテーションを推奨・実施しています。
今回は呼吸リハビリテーションについてお話しします。
・呼吸リハビリテーションの効果について
呼吸リハビリテーションとは、①肺の病気を学ぶことや、禁煙・栄養の重要性を学ぶ生活指導、②筋力増量や、痰を出す力を鍛えるような運動療法、などがあります。
手術前後に呼吸リハビリテーションを実施することで、手術後の肺炎などの合併症が軽減し、身体的にもより早く活動性が上がり、入院期間が短くなるといわれています。
・呼吸リハビリテーションの対象となる方
術前の呼吸リハビリテーションが対象となる方は、①高齢、②喫煙、③呼吸機能低下、④筋力低下、⑤肥満、⑥脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な既往歴、などがあります。現時点では松本協立病院に外来通院が可能な方に限りますが、当院担当医と相談してリハビリテーションを実施するかを決定します。
・手術前後の呼吸リハビリの流れ
当科外来で呼吸リハビリテーションを実施することに同意されましたら、松本協立病院を受診していただきます。その後手術まで松本協立病院に通院して呼吸リハビリを行い、信大病院で入院、手術を施行します。信大病院を退院後も必要があれば再度松本協立病院に通院してリハビリを行います。(下図参照)
このように、信州大学呼吸器外科では、手術を受ける方が術後より早く日常生活に戻ることができるように病院連携して呼吸リハビリテーションを実施しています。なにかご不明な点やご興味がございましたら外来担当医にご相談ください。
参考文献:Anaesthesia. 2018 Jun;73(6):750-768.
BMJ. 2018 Jan 24;360:j5916.
(文責:久米田浩孝)