診療案内

肝胆膵疾患

特色

確かな技術と行き届いたケアに裏付けされた良好な成績

  • ハイレベルな手術

    他院で手術困難とされた局所進行がんに対しても、化学療法を組み合わせた積極的な集学的治療を行っています。さらに、肝胆膵領域では難易度が高いとされている鏡視下手術にも力を入れています。

  • 細やかな周術期管理

    私たちの目指すところは、難易度の高い肝胆膵領域の手術における、安全性と根治性の両立です。そのために、細心の注意を払って術前術後管理を行い、また手術中は出血をさせないよう、丁寧な手術を心がけています。

  • 良好な手術成績

    1990年以降、肝細胞がんに対する手術は、初発、再発合わせて1000例を越えていますが、術後肝不全による在院死亡率は0.4%、初回切除からの5年生存率も56%と良好な成績です。

対象疾患

  • 肝がん

    肝がんとは肝臓に発生するがんの総称です。肝がんには大きく分けて肝臓由来の『原発性肝がん』、肝臓以外から転移したがん細胞が肝臓で大きくなった『転移性肝がん』があります。
    原発性肝がんのうち、『肝細胞がん』と呼ばれるがんが90%以上を占め、続く『胆管細胞がん』は5%程度です。
    肝細胞がん、胆管細胞がん、転移性肝がんにはそれぞれ特徴があり、治療方針も異なります。

  • 胆のうがん、胆管がん

    肝臓で作られた胆汁を一時的に貯めておく袋を『胆のう』、そして胆汁を十二指腸に分泌する管を『胆管』と呼びます。胆のうがんは胆のうから、胆管がんは胆管から発生した悪性の腫瘍です。
    胆管がんは進展範囲が広く、がんができた場所により肝臓や膵臓、またはその両方を合併切除する必要があり、高度な手術技能と細やかな周術期管理が要求されます。

  • 膵がん

    膵がんとは膵臓に発生する悪性の腫瘍です。早期では無症状のことが多く、進行してきて始めて腹痛、体重減少、黄疸といった自覚症状が出現します。日本で膵がんによって亡くなられる方は毎年約34000人以上で年々増加しています。

腹腔鏡下肝切除

鏡視下手術は消化管領域ではすでに一般的に普及していますが、肝胆膵領域での歴史はまだ浅く、腹腔鏡下肝切除が2010年から保険適応になったばかりです。

鏡視下手術のメリットとして「創が小さい」「術後の痛みが少ない」「術後の回復が早い」といった点が挙げられ、様々な点で患者さんに負担の少ない手術です。その一方で「手術時間が長い」「高度な技術が求められる」といったデメリットも指摘されており、腫瘍の大きさや場所などを十分に配慮して手術の適応を判断する必要があります。

私たちは患者さんのCTデータをもとに肝臓の3D画像を作成し、手術を行う際の参考としています。これにより術前・術中に腫瘍と血管の位置関係を正確に把握することができ、鏡視下手術をより安全に行うことが可能になりました。さらにICG蛍光法という方法を用いて腫瘍を発光させることで、より視覚的に切除範囲が認識できるようにしています。

これらの工夫や手術機器の進歩、技術向上により、当科での鏡視下手術は開腹手術と比較して、合併症発生率は同等であり、重篤な合併症による手術関連死亡も認めておりません。

肝臓の3D画像

肝臓の3D画像

ICG蛍光法

ICG蛍光法

診療実績

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2018 2019 2020 2021 2022
肝切除術(部分切除) 21 27 42 32 26
肝切除術(区域以上) 22 36 36 37 39
うち腹腔鏡下肝切除 2 15 16 9 10
肝切除術(その他) 9 9 1 2 0
膵頭十二指腸切除術 24 19 28 15 27
肝膵同時切除(重複) 0 2 1 1 1
膵体尾部切除術 14 6 10 11 15
うち腹腔鏡下切除 7 1 6 6 7
膵切除(その他) 3 2 2 2 2
胆嚢摘出術 35 33 44 32 36
うち腹腔鏡下手術 19 28 29 23 28
脾摘出術 4 5 7 4 3
うち腹腔鏡下手術 0 2 6 1 1
その他 28 81 117 96 125
緊急(外傷含む) 6 20 38 23 23
合計 199 219 291 228 273
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