専門研修Q&A
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大学病院での研修は症例が少ないと聞いたのですが。
中核病院と比較すると確かに専門研修1年目の大学病院で経験できる症例数は少なくなりますが、その分ひとりの患者さんにかける時間を長くとることができ密度の濃い研修ができます。大学病院では重症な患者さんが比較的多く、高度な手術技術と繊細な周術期管理が要求され、そのような環境で指導医とともにじっくりとトレーニングを積むことで外科医としての基礎と、どんな症例にも対応できる応用力が身につきます。
執刀経験などは専門研修2~3年目の関連病院で、専門医の取得に十分な症例数(累積術者120例以上)を経験することができますので安心してください。開腹手術だけでなく、腹腔鏡手術も執刀する機会があります。 -
学会発表や論文作成に興味があります。
学術総会などへの積極的な参加や演題発表が推奨されています。国内だけでなく海外の学会で発表するチャンスもあります。指導医が発表の仕方やスライドの作り方、論文作成などについて、基本的な部分から丁寧にアドバイスします。
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患者さんを自分一人で診られるか心配です。
大学病院では基本的にチーム制を採用しているため、研修医ひとりで患者さんを診ることはありません。年の近い若手の先生も多く、基礎的な手技から一つひとつ丁寧に指導を受けることができます。また、購読できるジャーナルが多く、UpToDate®などの教材やシミュレータも充実しており、自己研鑽を積むことができます。
専門研修2~3年目の関連病院での研修では、主治医として診療に携わることが多いですが、その場合であっても治療方針などについて指導医を中心にどの先生も親身に相談に乗ってくれます。 -
休日はありますか。オンコールや当直ばかりではありませんか。
診療は基本的にチーム制のため、土日祝日はもちろん平日夜間のオンコールも当番制です。当直も月に1~2回程度などで、自由な時間は家族や友人と過ごしたり、自己研鑽の時間に充てることができます。
医師にも働き方改革が求められており、病院全体で業務効率化のための様々な取り組みを行っています。 -
大学病院は給料が安くて生活が大変ではないですか。
大学病院であっても収入は保証されています。時間外手当も正当に支給され、無給で大学院生を働かせるようなことも決してありません。
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専門医や学位は取れますか。
長野県から奨学金を貰っていて、地域医療に従事しなければなりませんが、どうしたらいいですか。まずは外科専門医取得が一つの大きな目標であり、必要症例数を十分経験できるように配慮されます。その後は学位や消化器外科専門医などがスムーズに取得できるように、経験症例数や大学院進学、研究など本人の希望も踏まえながら計画されています。各種研修指定病院にも認定されているため、効率よく専門医や認定医を取得することができます。
また、県や県内の他病院からの奨学金給付者では、定められた勤務を行いながらも、外科専門医やサブスペシャルティ領域に必要な経験が積めるように配慮しています。
具体的には、医師3〜5年目に大学病院や症例数の多い病院で研修を行い、外科の基礎を身につけ、外科専門医取得に必要な症例数をクリアしていただきます。その後6年目以降で奨学金給付先の定める病院をローテーションしていただくことになりますが、信州大学医学部地域医療推進学教室とも密に連絡をとり、本人の希望を最大限に踏まえた上で勤務先が決定されます。 -
国内留学、海外留学に興味があります。
専門性を高めたり、国際的な見識を広げるために国内留学、海外留学を奨励しています。これまでも多くの先輩が短期、長期を含め国内外の施設に出向しています。基本的には大学院に入学して学位取得後に留学しています。