特色
疾患の専門性・特殊性に立ち向かう確かな技術と経験
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高い専門性
手術が必要となる副甲状腺機能亢進症。頻度がそれほど高くはないですが、術式(摘出腺数)の決定には詳細な術前検査と結果を判断する知識が必要です。
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繊細な手技が必要とされる手術
副甲状腺は米粒ほどの大きさの内分泌臓器です。特に多腺腫大の患者さんでは確実な全腺同定が求められるため、精度の高い診断と確実な同定摘出、自家移植手術を行っています。
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遺伝子診療や内科診療との連携
MENに代表される遺伝性多選腫大疾患の診療では、遺伝学的情報や他の内分泌疾患の検索が不可欠です。当院では経験豊富な内分泌内科、遺伝子診療部と連携して診療にあたっています。
対象疾患
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原発性副甲状腺機能亢進症
甲状腺の裏側にある米粒程度の大きさの臓器である「副甲状腺」は副甲状腺ホルモン(PTH)とよばれる血液中のカルシウムの濃度を調節するホルモンを分泌する臓器です。原発性副甲状腺機能亢進症は副甲状腺が腫瘍化し、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまい、その結果、血液中のカルシウム濃度が高くなってしまう病気です。多くは「腺腫」とよばれる良性腫瘍が原因ですが、稀に「副甲状腺がん」という悪性腫瘍が原因となることがあります。手術が唯一の根治的な治療です。
続発性副甲状腺機能亢進症
副甲状腺以外の病気が原因で副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌され、その結果、血液中のカルシウム濃度が上昇する状態です。主な原因は腎不全です。この場合には4腺ある副甲状腺がすべて腫れてくるため、手術では副甲状腺を4つすべて摘出し、その一部の腕の筋肉の中に移植します(自家移植)。